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■症例1-1
■症例1-2
■症例1-3
■症例1-4
■症例1-5
■症例1-6
■症例1-7

1-1:眼の奥に後頭部から刺すような痛み

40歳代 男性 理髪師 症状:約15年前から、眼の奥に後頭部から突き刺すような激しい痛みを発症。
最近は年に2回程度痛みが生じ約1ヶ月継続する。
寝てから1時間程度すると眼の奥の激しい痛みに襲われ、寝ることもできず、眼を取り出したい程の苦しみ、痛みを堪えるために壁に頭を打ち付けることもある。
病院において群発性頭痛との診断を受けるが改善せず。 原因:職業柄、頭を一方向にかしげることが多く、頸部に継続的に負担がかかることによって生じた左頸板状筋のトリガーポイントが原因であったした。周期的に活性化し、就寝の際に、枕が頸板状筋のトリガーポイントを圧迫して、激しい痛みを起こしていました。 施術:不定期に5回の通院、頸板状筋カウンターストレインで痛みは解消しました。 要点:典型的な群発性頭痛の症状でしたが、原因は頸板状筋のトリガーポイントにありました。群発性頭痛、偏頭痛などの頭痛に苦しんでおられる方は多いでしょうが、頭痛の大部分は、後頸部や肩の筋肉を手当することによって改善が可能です。
【症例】眼の奥に後頭部から刺すような痛み

1-2:顔のしびれと頭痛

70歳代 女性 症状:3歳の頃から70年間、顔のしびれと頭痛に悩まされ、あらゆる病院や代替医療機関を受診したが改善せず。原因も解らないままであった。 原因:患者自身の出生時に難産であり、産道を通る間に痛めた前頸部の胸鎖乳突筋のトリガーポイントが原因であった。 施術:2回の施術で頭痛は解消し、6回の施術で顔のしびれ等も解消した。 要点:難産が頸部の大きな負担となって、鞭打ち症と同様の症状を発症したものであり決して珍しい症状ではありません。胸鎖乳突筋は多様な症状を起こします。
交通事故等による鞭打ち症も頸部の筋肉に生じたトリガーポイントが原因であることが多く、骨折等の物理的な損傷でない限り、頸部及び肩の筋肉を治療する ことによって痛みやしびれ、めまいが改善することができます。【症例】顔のしびれと頭痛

1-3:顔の中の重苦しい痛みと側頭部を引き下ろされる感覚

30歳代 女性 症状:20年前から顔の内側に重苦しい痛みがあり、数年前から悪化した。それとともに、側頭部、肩、上背部側面にかけて皮膚や筋肉が引き下ろされるような不快感があり、睡眠もままならない状態。専門医を受診してきたが原因を解らず。 原因:頭部にある内側翼突筋、外側翼突筋、咬筋、頸部にある胸鎖乳突筋が障害を受けており、顔の症状は主として内側翼突筋のトリガーポイントが原因であった。また、上半身側面の引き下ろされるような感覚は、身体の側面を頭部から足にかけて走る筋膜ラインの過緊張が原因であった。 施術:顔の症状は、内側翼突筋等の6回の施術で消滅した。
上半身側面の引き下ろされるような感覚は、腹斜筋から頭部にかけての側面の筋膜ラインを順次緩めていくことによって、10回の施術で解消した。 要点:何が発端となったかは不明でしたが、一つの筋膜ラインが過緊張となり、当該ライン上に連鎖的にトリガーポイントが生じていました。このような場合には、トリガーポイントと筋膜ラインの両面からの治療が必要になりますが、改善は可能です。

【症例】顔の内側の痛み

1-4:首、肩、肩甲骨内側の重苦しい痛み

40歳代 男性 会社員 症状:パソコン作業が多く、半年前から肩凝りに悩まされる。一か月前からは、首、肩、肩甲骨内側の重苦しい痛みを発症し、首を右に向けたり後ろに倒すことができない。整形外科で頸部ヘルニアと診断され牽引等を行ったが改善せず。
原因:パソコンの使用による後頸部・上背部の負担によって生じた、僧帽筋、肩甲挙筋のトリガーポイントが原因であった。 施術:僧帽筋と肩甲挙筋のPIR及びカウンターストレインによって2回の通院で解消した。 要点:肩凝り症が重症化したものでした。
肩凝りの時に肩(僧帽筋上部)を揉んでもらうと気持ちが良いのですが、肩のトリガーポイントは主に首の側面に痛みを起こし、肩凝り症の原因とは限りません。
この方の肩凝り症は、背中側にある僧帽筋中部と肩甲挙筋のトリガーポイントが原因でした。
【症例】首、肩、肩甲骨内側の痛み

1-5:四十肩

50歳代 男性 会社員 症状:腕を上げることも、背中に回すこともできず、肩の深部と周辺に常時重苦しい痛みがあり患側を下にして寝ることができない。 原因:典型的な四十型、肩関周辺の小胸筋、肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、上腕3頭筋、三角筋に生じたトリガーポイントが原因であった。 施術:3回の通院。肩関節周辺の肩甲下筋等の施術によって症状は解消した。 要点:四十肩は、腕の動作制限と肩周辺の重苦しい痛みを伴う辛い症状ですが、基本的には肩関節周辺の筋肉を緩めることによって効果的に治療ができます。ただ、肩関節は筋肉で支えて宙に浮かる構造をしていますから、一つの筋肉を傷めると、それが他の筋肉に負担となってトリガーポイントが連鎖し、肩が固まったように動かせなくなります。それぞれの筋肉の治療自体は簡単ですので、連鎖して重症化する前に早目に手当てするのが賢明です。

1-6:肩が水平の位置でロックし、それ以上に腕を上げられない。

40歳代 女性 会社員 症状:仕事中に肩を強く打ったのち腕が重く違和感が続き、一ヶ月前から腕を上げようとしても、水平まで上げると肩がロックしたように全く動かなくなる。肩の痛みは1週間ほどでなくなり、腕を上げる以外の動作に支障はない。 原因:下部の肩甲上腕靱帯にトリガーポイントが生じ、強く緊張して上腕を上げるのを阻害していた。 施術:肩甲上腕靱帯のカウンターストレイン及び圧迫リリースによってロック状態は解消した。 要点:肩甲上腕靱帯は上腕を体側に強力に引きつける靭帯ですが、下部の靭帯は腕を45度挙げると緊張して腕を肩甲骨に引き付けます。この方の場合には、水平まで上げた時点で、障害を受けた靭帯が伸展できなくなり急激に動作を制限、ロックしたように感じられたものでした。この靭帯には直接触れることはできませんが、カウンターストレイン等によって治療することは可能です。

1-7:むち打ち症

40歳代 男性 会社員 症状:2年前に高速道路での玉突き事故に巻き込まれ、しばらくした後に常に肩首が重く右後頭下部にしつこい痛みを発症、また時に頭部全体が重ぐるしくなり、むち打ち症と診断される。整形外科等を巡るが改善せず来院。 原因:追突された際に頸部を強く後屈し過大な負荷がかかったことにより、頸部の前面及び後面に広く生じたトリガーポイントが原因であった。 施術:不定期に5回の通院、頸部深部脊柱起立筋、胸鎖乳突筋、後頭下筋群、肩甲挙筋、頭板状筋等のカウンターストレインで痛みは解消した。 要点:典型的なむち打ち症の症状でした。むち打ち症は頸部の損傷等を伴うことがあり専門医師に受診することが重要ですが、これによって生じた痛みやめまい等が頸部や上背部の筋肉を手当することによって改善することも多いのです。頸部損傷等の明確な診断がなく改善が認められない場合には、是非トリガーポイントセラピーを試してみて下さい。