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■症例2-1
■症例2-2
■症例2-3

2-1:肩から腕、手に至る痛みとしびれ

30歳代 男性 会社員 症状:数年前から腕の痛みとしびれを繰り返し発症し、半年前から指先まで広がった。MRI撮影の結果、頸椎ヘルニアと診断されたが、病院での治療を受けることなく来院。 原因:前頸部及び胸部にある胸部深部脊柱起立筋、斜角筋、鎖骨下筋のトリガーポイントが重層的に痛みとしびれを起こしていた。 施術:一週間毎の5回の通院。胸部深部脊柱起立筋、斜角筋、鎖骨下筋の施術で痛みは解消した。 要点:深部脊柱起立筋は脊柱を深い部分で強く支えている筋肉ですが、極めて広範囲の症状を呈します。また、斜角筋も胸部、背部、腕、指の痛みやしびれの原因になることが多くあります。しびれが広範囲に広がると脊椎の神経を痛めたと誤診されがちですが、頸部及び胸部の筋肉を緩めることによって、ほとんどの場合には改善が可能です。
【症例】肩、腕、手の痛みとしびれ

2-2:胸部と上背部の広範囲の痛み

40歳代 男性 会社員 症状:10数年前に左肩から左上背部に違和感を覚え、年を経るにしたがって左胸部から上背部に広範囲に痛みが広がる。左を下にして寝ると背中が痛くて眠れない、また肩を動かすとれき音が生じる。整形外科、整体院等に通院するも原因不明、周期的に強い痛みに悩まされる。 原因:斜角筋にトリガーポイントが生じ、連鎖的に肩、胸部、上背部、胸側部の多くの筋肉にトリガーポイントができ、広範囲の関連痛を起こしていた。 施術:最初の通院ですべての痛みは1/3以下に減少、肩のれき音も消えた。その後の5回の通院。頸部、胸部、上背部の諸筋のPIRとカウンターストレインによって全ての痛みは解消した。 要点:呼吸が浅く、呼吸を補助している頸部の斜角筋に負担がかかりトリガーポイントを発生、その後関連痛域に連鎖的にトリガーポイントが生じていました。斜角筋は最も上半身の障害を起こしやすく、関連痛も広範囲に及ぶことから連鎖を起こし易いのです。また、呼吸時に肩や首の筋肉を間違って使用すると、継続的な負荷がかかってトリガーポイントを生じ慢性化することが多くあります。
呼吸が浅く息苦しいと感じる方は、慢性痛に至る前に一度通院して確認されることをお勧めします。関連の筋肉を緩め、腹式呼吸を身に付けることによって楽に呼吸ができるようになりますし、健康維持のために大切なことです。
【症例】胸部、上背部の痛み

2-3:握力低下

30歳代 男性 塗装工 症状:半年前から右手に違和感があり、筆記具や刷毛を落としてしまう事が多くなった。特に痛みはないが、一ヶ月前から握力が減少し右手で重い物を持てなくなった。 原因:前腕にある手根伸筋(指を伸ばす筋肉)にトリガーポイントが生じて過緊張となり、手を握る動作を強く阻害していた。刷毛の連続使用によって手首に過負荷がかかったのが原因と推定される。 施術:最初の通院で、手根伸筋のカウンターストレインによって筋力低下は回復した。 要点:握力低下は、指を握る筋肉または指を伸ばす筋肉にトリガーポイントが生じて握力の発揮を妨げる(筋性防御)ことによって生じることが多くあります。通常は手首等の痛みを伴うことが多いのですが、関連痛を感じることなく、不意に物を落とす症状もよく見られます。手根伸筋等の治療自体は簡単です。