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■症例3-2
■症例3-3
■症例3-4
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■症例3-7
■症例3-8

< 3-1:脇腹の下から臀部に広がる重苦しい痛み >

60歳代 男性 会社員 症状:健康維持のために10年前から傾斜のある海岸をウォーキング。
5年前に徐々に腰が痛みだし、歩くのが辛くなってウォーキングも止めた。最近は左腹部、仙骨周辺、左臀部、左下肢と痛みが広がって歩行が困難となり、股関節が痛くて仰向きで寝ることができない。多数の整形外科、整体院、鍼等に受診するも改善せず、坐骨神経痛と診断され手術を勧められていたが、手術することなく来院。 原因:腰方形筋のトリガーポイントでき、中臀筋、小臀筋に波及したのが原因であった。 施術:1~2週間毎に7回の通院。腰方形筋、中殿筋、小殿筋の施術とセルフケアーによって、痛みは全て解消した。また、3ヶ月後に軽度の症状が再発したが、1回の施術によって解消した。 要点:斜めに傾斜した海岸を長期間歩くことによって、姿勢維持筋である腰方形筋に負担がかかってトリガーポイントを生じさせたものと推測されます。立位の姿勢が明らかに歪んでいるほどの重篤な症状でしたが、治療自体は決して難しいものではなく、トリガーポイントセラピーではほとんど間違いなく改善が可能なケースでした。
【症例】脇腹下から臀部の痛み

< 3-2:鼠径部から膝の痛み、背骨脇、臀部、脚へと波及する痛み >

30歳代 女性 民間療法職員 症状:20年ほど前に交通事故に遇い、右股関節を痛めてしばらく歩けない状況。15年ほど前から、右股関節が痛みだし膝まで波及。職業柄前屈みの姿勢が多く、徐々に腰痛を発症し、数年後には仙骨、右の骨盤、臀部、足の側面に痛みが発症した。また、右腹部に痛みを感じる時がある。整体院で定期的かつ長期間の施術を受けるも改善せずに来院。 原因:事故によって生じた右内転筋のトリガーポイントが生じ、臀部の筋肉に波及したのが原因であった。 施術:1週間毎に7回の通院。腹部の奥にある腸腰筋、中殿筋、小殿筋の施術によって痛みは解消した。
【症例】鼠径部~脚
要点:交通事故では内転筋を痛めることが極めて多くあります。また、事故に遭遇した5、6年後に慢性痛として発症することが多くありますから、過去に強い衝撃を受けた経験がある方は、注意しておく必要があります。発端は内転筋ですが、連鎖の中核となっているのは大腰筋でした。
この方は、民間療法の職員として知識も経験もあって、同僚のケアーを受けておられましたが、一般的なマッサージやストレッチではトリガーポイントを沈静化することはできませんし、腰痛を改善することもできません。

< 3-3:仙骨深部と臀部の痛み >

60歳代 男性 自営業 症状:25年前から臀部が痛みだし、長く歩けない状況。整形外科、整体院等を巡ったが改善せず、整形外科では椎間板ヘルニアと診断された。 原因:左臀部に梨状筋にトリガーポイントが原因であった。 施術:初回の通院時に梨状筋への施術で痛みは全て解消した。2回目の通院時に梨状筋が緩んでいることを再確認するとともに、セルフケアーを伝えて施術は全て終了した。 要点:臀部の痛みには、梨状筋が関与している場合が多くあります。通常、梨状筋が障害を受けている場合には臀筋等にもトリガーポイントがあることが多いのですが、この方の場合には梨状筋のみの障害であり、施術に対する反応も良く、初回から高い効果を得ることができました。また、ご本人の努力によってセルフケアーが効果的に行われた例でもあります。1回の施術で改善しましたが、25年間も腰痛に悩んで来られたのが不思議にさえ感じられるケースでした。
【症状】仙骨、臀部

< 3-4:仙骨脇の痛み >

50歳代 男性 症状:15年前から腰痛(仙骨の右脇が痛む)を繰り返し発症。整形外科、整体院等に通院したが、原因が全く解らず。
本朝の起床時に急に仙骨脇に激しい痛みが起こり、歩く度に激痛が走しり、杖を突きながら来院。 原因:従来から生じていた右ふくらはぎのトリガーポイントが急激に活性化し、仙骨右脇に鋭い関連痛を起こしたものであった。 施術:2回の通院。ふくらはぎのヒラメ筋の治療によって痛みは解消、従来の腰痛も改善された。 要点:ふくらはぎの筋肉に生じたトリガーポイントは、ごく希に仙骨脇に鋭い関連痛を起こします。施術自体は簡単でしたが、痛みを感じる部位と罹患部位が全く離れていることもあって、トリガーポイントと関連痛に関する知識と経験がなければ、罹患筋の特定が難しいケースでした。ふくらはぎのみの施術によって腰痛が消える、そのことに一番驚かれたのはご本人のようでした。
【症例】仙骨脇

< 3-5:背骨脇の縦に走る痛み >

30歳代 男性 会社員 症状:5~6年前から脊椎の左脇に縦に走る痛みを発症し、以後周期的に痛みが強弱を繰り返す。疲れが溜まり痛みが増した時には、朝起きるのが辛く一端横向きになってからしか起き上がれない。整形外科、整体院等に通院したが、原因が全く解らず。 原因:左の腹部の奥にある大腰筋と腸骨筋に生じたトリガーポイントが原因であった。 施術:1回の大腰筋、腸骨筋のカウンターリリースとセルフケアーで痛みは解消した。
【症例】背骨横
要点:パソコンに向かう時間が長く、腹部を短縮状態に長く置いたことから大腰筋と腸骨筋にトリガーポイントが生じたものでした。大腰筋と腸骨筋のトリガーポイントによる背部に関連痛は、典型的な腰痛のパターンといって良いでしょう。簡単に改善できましたが、その他の部位に波及する以前に施術できたのが幸いでした。早期に痛みを取り除くのは大切なことです。腹部の手当をしない腰痛治療はあり得ないと、改めて筋痛を知らない医療関係者の多いことに憤りを感じさせるケースでした。

< 3-6:腰痛の背景にリンパの停滞 >

20歳代 男性 会社員 症状:10年前から時折腰痛に悩まされてきたが、1年前の転職をきっかけに背骨脇、腰骨、仙骨周辺の痛みが強まり、更に脚の側面にしびれが生じた。
整形外科を受診し、週に1回のペースで整体院に通ったが改善せずに来院。 原因:右の大腰筋と腸骨筋に生じたトリガーポイントが背骨の脇と腰骨に関連痛を起こし、腰方形筋、小臀筋に波及して臀部の痛みと脚のしびれを起こしたものでした。 施術:施術によって痛みは消えるが、3回施術するも効果は一週間しか持たない状況であった。トリガーポイントを永続化させる要因が存在すると考えられ、施術と平行したビタミンB群の摂取とリンパセラピーを行い、爾後5回の施術で痛みとしびれは解消した。
【症例】小臀筋他、リンパ停滞
要点:腹部の奥深くの筋にトリガーポイントが生じ、下半身に波及する典型的な腰痛のパターンでしたが、リンパの流れが滞り、これが施術の効果を阻害していました。リンパの流れが滞ると細胞組織に必要な養分が供給されず、自己治癒力が十分に機能しないためにトリガーポイントを緩めても直ぐに元に戻ってしまうことになり易いのです。この方の場合も、主に足底、膝下、腹部の隔膜等を緩めてリンパの流れを改善することによって、施術の効果が格段に向上し腰痛の解消に至った典型的な症例でした。人の身体は全てが関連をもって健康を維持しています。痛みの原因は筋肉であるとしても、総合的な観点からの施術が欠かせません。

< 3-7:お腹が「くすぐったい」…その陰に腰痛 >

20歳代 女性 擁護関係職員 症状:7~8年前に右半身の腰痛(腰骨周辺、仙骨付近に痛み)及び脚の後面にしびれを発症、その後に2年ほど経過して右半身の上背部の張り、肩凝り、首の痛みが発症した。整体院に定期的に通院したが改善せずに来院。 原因:右の大腰筋と腸骨筋に生じたトリガーポイントが腰方形筋、小臀筋に波及して臀部の痛みと脚のしびれを起こしたものでした。同時に、大腰筋と腸骨筋の緊張が骨盤を前傾させ、猫背の姿勢を強調して上背部の張り、肩凝り、首の痛みを誘発していました。 施術:当初、腹部に触れると極度にくすぐったがり、施術できない状況。腹部の軽擦等によって感受性を緩和し、6回の施術によって全ての痛みとしびれが解消した。 要点:腹部に障害を抱える方が、痛みに対する防御反応として、その自覚がないままにくすぐったがることがよくあります。
この方の場合にも、ご本人の手を借りて腹部を押さえると鋭い圧痛があり、ご本人がその痛みの強さに驚いて施術が必要であることを納得されてから、徐々に施術が可能となりました。また、腹部の深部にある筋肉の張りが、身体のバランスを崩して上背部の緊張をもたらし、上背部、肩、首にトリガーポイントを生じさせることも多くあります。
この場合には、腹部の筋肉を緩めない限り、背部の緊張、肩凝り、首の痛み等を根本的に解決することはできません。
皆さんの中でも、同じようなことはないでしょうか。くすぐったいのは防御反応かも知れませんし、猫背などの上背部の障害の原因が腹部にあるのかも知れません。
【症例】首肩~腰

< 3-8:腰痛と共に生理痛と下痢が解消 >

30歳代 女性 会社員 症状:10年ほど前から腰痛(背中の骨盤あたりに広がる痛み)を発症。整体院に定期的に通院したが改善せずに来院。 原因:腹直筋にトリガーポイントが生じて腰部に関連痛を起こしたものである。 施術:5回の通院。腹直筋の施術によって腰痛が解消すると共に、激しかった生理痛と下痢が改善した。 要点:施術自体は難しいものではありませんでした。腹部を触診すると硬く極めて強い圧痛がありました。
初回の施術時後には自己治癒力の作用による反応が強く、その夜半に腹痛を訴える状況でしたが、それらの反応は2回で納まり、三回目からは順調に腰痛は改善しました。
ご本人が腰痛の改善以上に喜ばれたのは、毎月寝込むほどの辛い生理痛が施術の翌月には気付かないうちに始まり、毎日の下痢が治まったことでした。お腹の筋肉を意識することは少ないと思いますが、お腹の筋肉のトリガーポイントは極めて広範囲の様々な症状を起こします。特に女性の場合には影響が大きく、この方の生理痛と下痢の症状は、明らかに腹直筋下部のトリガーポイントが引き起こしたものでした。
【症例】腰痛、生理痛