【改善事例】不定愁訴

こんにちは。ブログをご覧いただきありがとうございます。 前回、筋筋膜にできたしこり(トリガーポイント)が様々な不定愁訴の原因になりうるということについてお話させていただきました。
今回は、実際に不定愁訴による辛さを訴えて来院された方の事例をご紹介したいと思います。 不定愁訴と診断されて心療内科に通院しておられる40歳代男性の事例です。
当初は頭痛を治したいと言ってこられたのですが、良く伺うと不定愁訴と診断されており、主に辛いのは、倦怠感、疲労感、常にある眠気、頭痛、首・肩・背中の痛み、時折のめまいと吐き気であり、検査を繰り返しても原因は解らないとのことでした。 頭痛を改善することができれば倦怠感等も改善するのではないかと考えられての来院でした。
触診していくと、頸部(前、後、側方)、肩、胸部、腹部が、トリガーポイントを内包して硬く張っており、これでは全身的に辛いであろうことが容易に推測できました。
詳細な説明は必要ないかと思いますが、この方の不定愁訴に関連する代表的なトリガーポイントとこれが起こす症状を概括してみたいと思います。
    • 胸鎖乳突筋(頸部前面)
頭・顔の痛み、視野の乱れ、体位性の目眩、空間的平衡感覚の乱れ、胃の不調、吐き気、食欲不振、突然の失神、頸部の凝り等
    • 後頭下筋群(頸部後面)
目の疲れから来る疲れ、頸部の凝り、全身の疲れ易さ等
    • 大胸筋(胸部)
締め付けるような胸の痛み、不眠、頻脈や不整脈、猫背の姿勢を作り背中を緊張等
    • 腹直筋(腹部)
吐き気、食欲不振、摂食障害、胃酸の逆流、胃痙攣、慢性の下痢、膨満感、筋膜連鎖を介した 全身の緊張等 概括しただけでも、これだけの症状を引き起こしています。 この方の場合には、激しい頭痛から倦怠感等を感じているのではなく、多くの症状が合併して何もやる気が起きない状態の追い込まれているのです。これだけの症状を抱えれば、どのような強靭な人であっても生きる力をなくしていくでしょう。 全身的な治療を開始して5回目には、明らかに眼にも話す言葉にも活力が感じられるようになりました。
こうした根深い症状になると短期的な改善では効果が浸透しないと考え、月に一回程度の継続的な通院をお願いしたところです。 原因の解らない症状・・・それは往々にしてトリガーポイント理論を理解していないから解らないだけなのです。
悩まれたら一度は筋筋膜の観点から身体の状態を確認してみて下さい。世界の見え方が変わるかも知れませんよ。

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