<あなたの膝痛はどのタイプ?>膝痛のタイプ別エクササイズ~前面の痛み編~

こんにちは。ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
以前にお伝えした肩こりと腰痛のセルフエクササイズ(⇒関連ブログ一覧)に続き、膝痛タイプ別のエクササイズ要領をお伝えします。
今回は、膝の痛みの中でも、特に膝前面が痛む場合のエクササイズです。 皆さんが抱えておられる膝痛(前面)のほとんどは、次の4つのタイプに含まれます。
(膝痛(前面)を起こすトリガーポイントは他にもあり、4つのタイプに当てはまらなくても大丈夫です。極めて特殊な状況を除いて治療できない膝痛はありません。) ここで、筋筋膜にできた「しこり(トリガーポイント)」が作り出す膝痛(前面)の基本的な4タイプ(大腿直筋タイプ、内側広筋タイプ、外側広筋タイプ、内転筋タイプ)と各タイプのエクササイズについて順次簡単にお伝えしますので、ご自身がお悩みの膝痛と比べてみて下さい。 ※イラストの×印はトリガーポイントが生じる代表的な位置を、赤色は関連痛を示しており、濃い赤色はほとんどの場合に痛みを生じる部位、まばらな赤色は時に痛みを生じる部位を示しています。
STEP3
 【 エクササイズの流れとポイント 】 
 基本要領 
  1. 座位または仰向きに寝て、深呼吸をして全身をリラックスさせます。
  2. トリガーポイントは押圧すると痛みますので、イラストや写真を参考に、硬式テニスボール等を利用して押して痛む部位(トリガーポイント)を丁寧に確認します。
  3. トリガーポイントを無理なく約10秒圧迫して血流を止め、次に約10秒解放します。トリガーポイントが複数ある場合には、これを繰り返します。
  • 一度に行う押圧は一箇所10回以内とし、圧迫の強さは、心地よい痛みを感じる程度にとどめます。
  • 一日に行う押圧は、合計50回以内にとどめます。(強度・回数ともに、やり過ぎは症状を悪化させます。)
1.【 大腿直筋タイプ 】 

大腿直筋のトリガーポイント


大腿直筋は、大腿前面の概ね中央にあり、膝を伸ばし、股関節を曲げる働きをする筋肉です。 
 
  • 膝蓋骨の前部やその上の大腿部が疼くように激しく痛みます。
  • 膝関節自体の深部に痛みを感じることがあります。
  • 膝に力が入らないことがあります。
  • トリガーポイントができ易い筋肉です。
  エクササイズの手順  
    1. 椅子に座った時に鼠蹊部にできるズボンの折り目周辺、大腿部中央の少し外側の深部を押圧して痛みを確認します。
※やや浅めに腰掛けると痛みを確認し易くなります。
  1. 両方の掌を重ねてテニスボール等を掴み、体重をかけて押し当ててみると良いでしょう。
2.【 内側広筋タイプ 】

内側広筋のトリガーポイント


内側広筋は、大腿前面の内側にあり、膝を伸ばす働きをする筋肉で、トリガーポイントは、膝蓋骨の少し手前と大腿の中央付近に主にできます。 
 
  • 膝の前面内側、大体の内側の下部に疼くような痛みを生じさせます。
  • 膝の可動を制限したり膝の動きよって痛むことはあまりありません。
  • 一般的に膝の筋力を弱め、膝折れなどを起こします。
  エクササイズの手順  
  1. 椅子に座って、膝蓋骨の少し手前の内側、大腿の中央付近の少し内側を隈なく押圧して痛みを確認します。
  2. 両方の掌を重ねてテニスボール等を掴み、体重をかけて押し当ててみると良いでしょう
3.【 外側広筋タイプ 】

外側広筋のトリガーポイント


外側広筋は大腿前面の外側にあり、膝を伸ばす働きをする筋肉です。大腿の側面を幅広く覆っており、トリガーポイントは何処にでも生じますし、同時に複数のトリガーポイントがあるのが一般的です。 
 
  • イラストのようにトリガーポイントの位置によって多様な痛みを起こします。
  • 特に、膝蓋骨の下が痛む時には、外側広筋のトリガーポイントの可能性が高いと言えます。
  • 患側(痛む側の脚)を下にして寝ると痛むことが多くあります。
  • 膝蓋骨の運動を制限し、膝の曲げ伸ばしが困難になることがあります。
  • 膝蓋骨が完全に固着し全く動かなくなることがあります。(ロッキング現象)
  エクササイズの手順  
  1. 複数のトリガーポイントが広範囲に存在する傾向がありますから、大腿の外側面を幅広く隈なく押圧して痛みを確認します。
  2. 仰向けに寝て痛む脚の膝を曲げて横に広げ、テニスボール等を大腿外側面の下に置き脚の重さを利用して押し当ててみると良いでしょう。
4.【 内転筋タイプ 】

長・短内転筋のトリガーポイント


内転筋は大腿の内側にあり、脚を閉じる働きをする筋肉です。 
 
  • 安静時よりも活動時に、鼠径部下、大腿前面に痛みを起こします。
  • 通常、痛みは鼠蹊部の深部で感じられますが、活性化するとイラストのように膝上部に痛みを起こし、膝蓋骨から脛にかけて痛みやしびれを起こします。
  • 股関節がこわばり、大腿の動きが制限され、特に股関節を広げるのが困難になります。
  • 膝蓋骨の運動を制限し、膝の曲げ伸ばしが困難になることがあります。
  • 通常は痛みを感じないことが多く、激しい活動や身体をねじったりした時に痛みを感じます。
  エクササイズの手順  
  1. 鼠蹊部近くの大腿内側の張りのある筋肉に沿って痛みを確認します。
  2. 椅子に座って、大腿内側の筋を手で強く鷲掴みにするか、脚を無理なく広げて指や綿棒などで押圧してみると良いでしょう。
 

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