ゴルフ肘が治る理由
上腕骨内側上顆の痛みは、ゴルフ愛好家に生じやすいことからゴルフ肘(あるいは野球肘)と呼ばれ、原因は明確には特定されていませんが、実際には、下記のイラストに示すように、そのほとんどが上半身や腕に生じたトリガーポイント(押圧すると鋭く痛む「しこり」)が起こす筋筋膜性疼痛です。
治療もそれほど難しいものではなく、痛みを改善することは可能です。
ただし、肘関節はよく使う部位であり、不用意に放置すると障害が連鎖して複雑かつ広範囲に広がることもありますから、できるだけ早くトリガーポイントを確認してみるのが賢明です。
まずは、次のイラストから、ご自身の症状や痛み・しびれの部位に似たものはないか、押圧すると鋭く痛む「しこり」はないか確認してみて下さい。
ゴルフ肘の原因となるトリガーポイント
凡例 ×:トリガーポイントの位置 赤色:関連痛・しびれの部位
『Myofascial Pain Dysfunction The Trigger Point Manual』
トリガーポイントは、押圧すると鋭い痛みを感じる小さな
「しこり」であり、赤色の範囲に痛みやしびれを起こします。
<上腕三頭筋>
・ ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)の主因
・ 肩と上腕の上部の後側に漠然として
位置が不明確な痛みを訴える
・ テニスなど急激な肘の伸展運動時に痛み
・ 時に、上腕を上げて腕が耳につかない
<大胸筋②>
・ ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)の原因
の一つ
・ 前胸部に激しい痛み
・ 狭心症と似た胸が締め付けられる痛み
・ 左側胸骨部の間欠的な強い胸の痛み
・ 安静時にも痛み眠れない事も多い
<小胸筋>
・ ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)の
原因の一つ
・ 三角筋前部に非常に強い痛み
・ 時に、胸上部、上腕尺側、肘部、
前腕、掌、3~5指に痛みとしびれ
・ 胸郭出口症候群の誤診の原因
・ 猫背を引き起こし、中背部に疼痛
<前鋸筋>
・ ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)の原因
の一つ
・ 側胸部~腕の内側~薬指・小指及び肩甲骨
下端内側に痛み
・ 活性化すると、安静時にも胸痛
・ 胸郭側部にチクチクするような痛み
・ 息が切れ、浅くなる
・ 時に、深呼吸をした時に、側胸部の
・ 時に、走行時等に生じる「脇腹痛」の原因
・ 活性化すると猫背のように肩を丸めた姿勢
・ 時に、患部を下にして眠れない
・ 時に、胃上部痛
<上後鋸筋>
・ ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)の原因の
一つ
・ 肩甲骨下の深部の痛み
・ 腕の痛みとともに時に手の痺れ
・ 安静時でも痛み、動作によって痛みは
変化しない
・ 時に、側弯症を起こす