四十肩・五十肩が治る理由
代表的な肩の障害である 四十肩 ・五十肩は、原因不明とされることが多いのですが、痛みがある以上、原因は必ずある筈です。
肩関節は「筋肉の海に浮かんだ関節」とも呼ばれ、骨格にしっかりと固定されることなく多くの筋肉や靭帯によって保持されています。
このため、一つの筋肉に生じたトリガーポイント(押圧すると鋭く痛む「しこり」)がその筋肉の動きを阻害しだすと、それが肩周辺の筋肉に連鎖的に波及して肩の動きを大きく制限して四十肩・五十肩の症状を呈することになります。
四十肩・五十肩の改善には多少の期間を要することもありますが、肩周辺の筋肉のトリガーポイント・セラピーによって改善することができます。
まずは、次のイラストから、ご自身の症状や痛み・しびれの部位に似たものはないか、押圧すると鋭く痛む「しこり」はないか確認してみて下さい。
四十肩・五十肩を起こすトリガーポイント
凡例 ×:トリガーポイントの位置 赤色:関連痛・しびれの部位
『Myofascial Pain Dysfunction The Trigger Point Manual』
トリガーポイントは、押圧すると鋭い痛みを感じる小さな
「しこり」であり、赤色の範囲に痛みやしびれを起こします。
<肩甲下筋>
・ 肩甲骨周囲の痛みの主因
・ 掌を床についた時に手首背面の痛み
・ 手首周囲(特に手背面)のひりひり
した痛み
・ 休息時、運動時ともに激しい痛み
・ 投球動作のように腕を後ろに引け
ない
・ 40肩・50肩の根本原因となることが
多い
<棘上筋>
・ 上腕の外転時に強い痛み
・ 休息時にも鈍い疼痛
・ 就寝時の激しい痛みや肩こりは
生じない
・ 肩を動かした時の轢音
<棘下筋>
・ 肩前部の深部痛の主原因
・ 時に、上腕から前腕、手の母指側全体
に痛みとしびれ
・ 背中に手を回せない、袖に腕が通しに
くい
・ 時に、肩甲帯の疲労、握力低下、肩の
運動性の減少、関連痛領域の多汗
・ 就寝時患側(時には背中)を下にして
寝ることができない
<小胸筋>
・ 三角筋前部に非常に強い痛み
・ 時に、胸上部、上腕尺側、肘部、
前腕、掌、3~5指に痛みとしびれ
・ 胸郭出口症候群の誤診の原因
・ 猫背を引き起こし、中背部に疼痛
<三角筋>
・ 主に肩を動かした時に痛み
・ 静止時に深部に軽度の痛み
・ 棘上筋、棘下筋の影響で活発化
することが多い