歯痛(口腔の痛み)が治る理由
歯痛、知覚過敏、歯茎の痛み、舌の痛み、歯が浮く感覚等 の症状であっても、虫歯や歯周病ではなくトリガーポイント(押圧すると鋭く痛む「しこり」)に起因する場合が少なくありません。
最近では、歯痛であっても筋筋膜性疼痛症候群(通称トリガーポイント)と診断される研究熱心な歯科医がおられますし、当院を紹介して下さる歯科医もおられます。
逆に、トリガーポイントが原因であり簡単に改善できるのに、あまりのしつこい痛みのために歯を抜いてしまわれる方もおられますので、トリガーポイントが歯痛等を起こし得ることをご理解頂きたいと思います。
これらの症状は、関連する筋のトリガーポイント・セラピーによって改善することができます。
まずは、次のイラストから、ご自身の症状や痛み・しびれの部位に似たものはないか、押圧すると鋭く痛む「しこり」はないか確認してみて下さい。
歯痛(口腔の痛み)を起こすトリガーポイント
凡例 ×:トリガーポイントの位置 赤色:関連痛・しびれの部位
『Myofascial Pain Dysfunction The Trigger Point Manual』
トリガーポイントは、押圧すると鋭い痛みを感じる小さな
「しこり」であり、赤色の範囲に痛みやしびれを起こします。
<咬筋>
・ 咀嚼筋の中で最もトリガーポイントが
発生しやすい
・ 歯や歯茎に痛みを放散し、口を開け難い
・ 時に、顎関節症の痛み、知覚過敏、耳の
奥の痛み、耳の閉感、耳鳴り、耳の内部の
ひどい痒み
・ 噛みしめ、歯ぎしりの原因
・ 副鼻腔炎の誤診の原因
<側頭筋>
・ 上顎歯の痛みと知覚過敏
・ 歯は、痛みよりも熱や冷感による不快感
・ 物を噛んだときに上歯や顎に放散痛
<内側翼突筋>
・ 口腔(舌・咽頭)・耳の深部・顎関節の
痛み、耳の閉塞感
・ 噛む・歯を食いしばる時に増強
(歯には放散しない)
・ 口の裏側や硬口蓋・舌に痛み、嚥下困難
・ 口を大きく開けるのが難しい
・ 噛みしめ、歯ぎしりの原因
<顎二腹筋>
・ 下顎の前4歯の痛み
・ 嚥下困難
・ 下顎角付近を圧迫すると激しい局所の痛み
・ 咀嚼筋の緊張を亢進