背中の痛みが治る理由
背骨自体が発しているような痛み、夜寝ると悪化する痛み、深部にしつこく残留するような痛み、片側を下に寝ていると悪化する痛み、寝返りの度に背中を走るような痛み、背中全体を覆う重苦しい鈍痛など、背中の痛み にも様々なものがあります。
これら症状のほとんど全てが筋肉に生じたトリガーポイント(押圧すると鋭く痛む「しこり」)が起こす筋筋膜性疼痛であり、痛みの原因となっているトリガーポイントを特定して解消することによって痛みを改善することができます。
まずは、次のイラストから、ご自身の症状や痛み・しびれの部位に似たものはないか、押圧すると鋭く痛む「しこり」はないか確認してみて下さい。
背中の痛みを起こすトリガーポイント
凡例 ×:トリガーポイントの位置 赤色:関連痛・しびれの部位
『Myofascial Pain Dysfunction The Trigger Point Manual』
トリガーポイントは、押圧すると鋭い痛みを感じる小さな
「しこり」であり、赤色の範囲に痛みやしびれを起こします。
<斜角筋>
・ 上半身の広範囲の痛みや痺れ等の
異常な感覚の根本原因
背中の痛みは、肩甲骨の内側
・ 手の感覚異常(腕や手の痛み、
腫れ、痺れ、チクチクした痛み、
灼熱感)、物を落とす、握力低下
・ 精神的な緊張
・ 朝起きたときの手背部(特に4指)
の浮腫、こわばり
・ 肩関節と指関節の痛みはリウマチの
誤診の原因
<僧帽筋>
・ 背中の痛み
・ 肩甲上部の深いな深部痛
・ 肩甲骨内側の焼けるような持続的痛
・ 肩甲骨の上の角付近の皮膚表層の焼け
るような痛み
・ こめかみ痛の主因、時に目の奥の痛み
・ 偏頭痛の誤診の原因
・ 緊張性頸部痛の主因
・ 頸部神経痛、顔面神経痛の誤診の原因
・ 最も一般的なトリガーポイントであり、
肩甲挙筋とともに肩こりの主因
<菱形筋>
・ 肩甲骨内縁に集中して疼き
痛みは就寝中に顕著に生じる
・ 頸や肩の動きによって痛みは変化しない
・ 肩を動かした時の轢音
<広背筋>
・ 肩甲骨下部、胸背部中部に痛み
肘をテーブルに置く、棚の上の物を
取ろうとした時に鋭い痛み
・ 長く緩い筋であり、ストレッチ動作には
全く反応しない
・ 両側が過緊張になると肩が前下方に引かれ
猫背の姿勢になる
<深部脊柱起立筋>
・ 椎骨自体の痛みと感じさせる深刻
な痛み、身を庇う動きになる
・ 体幹の側屈、回旋、過伸展に制約
・ 腹部の痛みを伴うことがある
・ 極端な緊張は椎間板の損傷あるい
はヘルニア、仙腸関節のずれ原因
・ 腰椎前湾過度あるいは前湾欠如、
胸椎後湾を引き起こす
<脊柱起立筋>
・ 脊柱の動きを制限
・ 椅子からの立ち上がり、立位での屈曲に
制限
・ 腹部の痛みは内臓性の痛みと誤診
・ 背中のこわばり感または緊張
・ 仙腸関節をずらし骨盤を捻るか傾ける
・ 背中の皮膚の過敏性、部分的な痺れ
・ 腰痛症と診断されることが多い