肩こりが治る理由

肩こり の時に、肩の上部を揉んでもらうと気持ちが良いと思いますが、肩の上部は肩こりの主な原因ではありません。肩を揉んだり押圧することによって血流が向上し、発痛物質を散らすことによって肩こりの症状が軽減に感じますが、この効果は一時的なものにすぎません。
肩こりの直接的な原因となることが最も多いのは、背中の上部と中部の筋肉に生じたトリガーポイント(押圧すると鋭く痛む「しこり」)であり、これらトリガーポイントを解消することによって肩こりを根本的に改善するとともに、頭痛等の関連の症状も改善することができます。
まずは、次のイラストから、ご自身の症状や痛み・しびれの部位に似たものはないか、押圧すると鋭く痛む「しこり」はないか確認してみて下さい。

肩こりを起こすトリガーポイント

            凡例  ×:トリガーポイントの位置  赤色:関連痛・しびれの部位
                『Myofascial Pain Dysfunction The Trigger Point Manual』
                トリガーポイントは、押圧すると鋭い痛みを感じる小さな
                「しこり」であり、赤色の範囲に痛みやしびれを起こします。

僧帽筋が起こす痛み・しびれ

<僧帽筋>
・ こめかみ痛の主因、時に目の奥の痛み
・ 偏頭痛の誤診の原因
・ 緊張性頸部痛の主因
・ 頸部神経痛、顔面神経痛の誤診の原因
・ 最も一般的なトリガーポイントであり、
 肩甲挙筋とともに肩こりの主因

肩甲挙筋が起こす痛み・しびれ

<肩甲挙筋>
・ 首の付け根の痛み・凝りの主因
・ 首の回旋・後屈時に痛みが増強
・ 活性化すると安静時にも激痛
・ 僧帽筋とともに肩こりの主因

頭半棘筋が起こす痛み・しびれ

<頭半棘筋等>
・ 後頭下部から肩甲骨に至る痛み
・ 頭と頸の後ろに圧痛を訴え枕による圧迫
 に耐えられない
・ 頭と首を真っすぐにして肩をいからせる
・ 首を十分に前屈できない
・ 時に、しびれ・疼き・灼熱感

棘上筋が起こす痛み・しびれ

<棘上筋>
・ 上腕の外転時に強い痛み
・ 休息時にも鈍い疼痛
・ 就寝時の激しい痛みや肩こりは
 生じない
・ 肩を動かした時の轢音

斜角筋が起こす痛み・しびれ

<斜角筋>
・ 上半身の広範囲の痛みや痺れ等の
 異常な感覚の根本原因

・ 手の感覚異常(腕や手の痛み、
 腫れ、痺れ、チクチクした痛み、
 灼熱感)、物を落とす、握力低下
・ 精神的な緊張
・ 朝起きたときの手背部(特に4指)
 の浮腫、こわばり
・ 肩関節と指関節の痛みはリウマチの
 誤診の原因

上腕三頭筋が起こす痛み・しびれ

<上腕三頭筋>
・ 肩と上腕の上部の後側に漠然として
 位置が不明確な痛みを訴える
・ テニスなど急激な肘の伸展運動時
 に痛み
・ 時に、上腕を上げて腕が耳に
 つかない

呼吸障害を起こすトリガーポイント

また、自然な呼吸が阻害されて肩呼吸をするようになると、慢性的な肩こりを誘発しますので、この場合には、呼吸を阻害している首や胸等の筋肉のトリガーポイント・セラピーによって改善することができます。

            凡例  ×:トリガーポイントの位置  赤色:関連痛・しびれの部位
                『Myofascial Pain Dysfunction The Trigger Point Manual』
                トリガーポイントは、押圧すると鋭い痛みを感じる小さな
                「しこり」であり、赤色の範囲に痛みやしびれを起こします。

斜角筋が起こす痛み・しびれ

<斜角筋>
・ 呼吸補助筋であり緊張すると肩呼吸
 を助長

・ 上半身の広範囲の痛みや痺れ等の
 異常な感覚の根本原因
・ 手の感覚異常(腕や手の痛み、
 腫れ、痺れ、チクチクした痛み、
 灼熱感)、物を落とす、握力低下
・ 精神的な緊張
・ 朝起きたときの手背部(特に4指)
 の浮腫、こわばり
・ 肩関節と指関節の痛みはリウマチの
 誤診の原因

大胸筋が起こす痛み・しびれ

<大胸筋②>
・ 呼気を補助する筋であり、緊張すると
 自然な呼気を阻害

・ 前胸部に激しい痛み
・ 狭心症と似た胸が締め付けられる痛み
・ 左側胸骨部の間欠的な強い胸の痛み
・ 安静時にも痛み眠れない事も多い
・ 緊張すると肩が前方に引かれ猫背姿勢

前鋸筋が起こす痛み・しびれ

<前鋸筋>
・ 緊張すると息が切れたり浅くなる。
・ 側胸部~腕の内側~薬指・小指及び肩甲骨
 下端内側に痛み
・ 活性化すると、安静時にも胸痛
・ 胸郭側部にチクチクするような痛み
・ 息が切れ、浅くなる
・ 時に、深呼吸をした時に、側胸部の
・ 時に、走行時等に生じる「脇腹痛」の原因
・ 活性化すると猫背のように肩を丸めた姿勢
・ 時に、患部を下にして眠れない
・ 時に、胃上部痛

さらに、下半身や腹部の緊張が姿勢を歪めて慢性的な肩凝りを誘発することも多く、これらの筋肉のトリガーポイントを解消することによって嘘のように肩こりがなくなることも少なくありません。

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