痛いところに原因はない① <人体はテンセグリティー>

こんにちは。 ブログをご覧いただき、ありがとうございます。 前回は「筋膜反射リリース」によって症状が改善した事例をご紹介させていただきました。 そこで、この「筋膜反射リリース」の背景について、2回に分けてお伝えしたいと思います。 今回は、人体がテンセグリティー構造になっていることについてです。 テンセグリティー(tensegrity)と言うのは、Tension(張力)とIntegrity(統合)を合わせた造語ですが、相反する圧縮力(主として骨格)と張力(主として筋)の釣り合いによって自己安定化する構造システムを言い、近年は生物学的構造の説明にも広く使われてきているものです。
皆さんは、人の身体はビルの鉄筋構造のようにしっかりと骨で支えて維持されているとお考えでしょうが、実は人の身体は骨格、靭帯、筋肉、その他すべての組織によって総合的・統一的にバランスが維持されて高度の柔軟性を保っているのです。 このため、ある部位に緊張が加わると、全身にその緊張が分散して伝わり、緊張から離れた部位で「たわみ」が生じて障害を起こすことがあります。 ある部位の障害(痛みやしびれ)は、別の部位が長期間緊張に晒された結果とも言え、その伝搬経路を見出して元々の原因となっている慢性的な緊張を取り除くことによって全身の秩序を回復させ、症状を消すことができることになります。 前回のブログでお話した、中学生の男の子の治療は、足首の靭帯損傷によって生じた慢性的な緊張が、顎周辺の筋肉や筋膜の障害(トリガーポイント)を引き起こしていたものでした。

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