脊椎すべり症の症状が消える理由
腰痛等の原因として挙げられる代表格は「脊椎すべり症」 のほか、「椎間板ヘルニア」 、「脊柱管狭窄症」でしょう。
背中から下肢に痛みやしびれがあり、MRI等で椎間板に変性が認められると、たいていこのような疾患名が付けられるようです。
脊椎に異常なく、お尻から下肢にかけて痛みや痺れ感がある場合は「座骨神経痛」と診断されることが多いでしょう。
しかし、これらの痛みやしびれのほとんど全てが筋肉に生じたトリガーポイント(押圧すると鋭く痛む「しこり」)が起こす筋筋膜性疼痛でありであり、この場合には、関連するトリガーポイントを解消することによって、症状を改善することができます。
詳しくは「身体の痛み(2痛みの常識の嘘)」をご覧下さい。
脊椎すべり症と診断され、手術しようか迷っておられる方、もう一度考えてみて下さい。
既に手術をされたけれども症状が改善しない方、それは症状の原因が脊椎すべり症ではなかったというだけのことです、諦めないでください。
まずは、次のイラストから、ご自身の症状や痛み・しびれの部位に似たものはないか、押圧すると鋭く痛む「しこり」はないか確認してみて下さい。
脊椎すべり症の症状を起こすトリガーポイント
凡例 ×:トリガーポイントの位置 赤色:関連痛・しびれの部位
『Myofascial Pain Dysfunction The Trigger Point Manual』
トリガーポイントは、押圧すると鋭い痛みを感じる小さな
「しこり」であり、赤色の範囲に痛みやしびれを起こします。
<腸腰筋>
・ 腰痛の主因
・ 起立時に痛みが増大、横臥時に軽く
しつこい痛み
・ 活性化すると起き上がり腹筋運動が不可能
・ 時に、椅子に深く座った状態からの立ち
上がりに困難
・ 朝、股関節か鼠径部にこわばり感や腰痛が
あり真っ直ぐ立てない
・ 活性化すると、時に、排便時の痛み
・ 代表的な体幹筋であり、全身的な症状の
根本原因にあることが多い
<腹直筋>
・ 腹直筋のトリガーポイントは一般的であり、
痛みを含めて多様な症状を起こす
・ 時に、腹部膨満、胸やけ、頻尿、尿意逼迫感、
腎臓痛、吐き気、噴出嘔吐、食欲不振、摂食障
害、胃痙攣、慢性下痢、月経困難、夜尿症など
・ 胃酸の逆流、食道炎、裂孔ヘルニア、胆石、
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、心臓病、消化不良など
の誤診の原因
・ 全身的な症状の根本原因となることが多い
<腰方形筋>
・ めまいがするほどの激痛、過敏性
・ 咳やくしゃみで短く激しい痛み
・ 休息時に持続的で深い疼くような痛み
・ 時に、動くと刺すような痛み
・ 片側の骨盤を引き上げ、腰椎前弯過多、
短脚
・ 直立姿勢での体重負荷が耐え難い
(重症では四つん這いになる)
・ 前方への屈曲が困難
・ 階段を降りる時の痛み
・ ふくらはぎの痙攣、下腿、足裏の
灼熱感・しびれ
・ ぎっくり腰の主因
<脊柱起立筋>
・ 背部、臀部、腹部、胸部に痛みを起こ
し、脊柱の動きを制限
・ 椅子からの立ち上がり、立位での屈曲に
制限
・ 腹部の痛みは内臓性の痛みと誤診
・ 背中のこわばり感または緊張
・ 仙腸関節をずらし骨盤を捻るか傾ける
・ 背中の皮膚の過敏性、部分的な痺れ
・ 腰痛症と診断されることが多い
<深部脊柱起立筋>
・ 椎骨自体の痛みと感じさせる深刻
な痛み
・ 体幹の側屈、回旋、過伸展に制約
・ 極端な緊張は椎間板の損傷あるい
はヘルニア、仙腸関節のずれの原因
・ 腰椎前湾過度あるいは前湾欠如、
胸椎後湾を引き起こす
<梨状筋>
・ ほとんどの臀部痛に関連、特に女性に多い
(女性は男性の6倍)
・ 女性の性機能障害及び性交不快症、
男性のED
・ 座位からの立ち上がり、立位で痛み
・ 時に、尾骨痛
・ 下肢が太くなり、下肢の腫脹を訴える
・ 脚を組みまたは内旋が困難
・ 梨状筋症候群の誤診の原因
<大臀筋>
・ 仙腸関節に問題を起こし、腰痛背部痛
を引き起こす
・ 座位で不快感や不安、頻繁に姿勢を
変える
・ 前方屈曲姿勢で上り坂を歩く
・ 時に、固い椅子に座る際に鋭い痛み
・ 時に、尾骨に痛み
<中臀筋>
・ 臀部の痛みの主因
・ 妊娠後期に股関節痛
・ 時に、患部を下にして眠れない
・ 後にもたれて座ると苦痛
・ 歩行時に回内運動
・ 座位で脚を組めない(内転制限)
<小殿筋>
・ 痛みは非常に激しく、持続し、
しばしば痺れを伴う
・ 跛行の原因となる股関節の痛み
・ 患部を下にして横臥すると痛みが
増し寝返りが辛い
・ 座位より立位で強い痛み
・ 座位で脚を組めない(内転制限)
・ 座位から立ち上がるのが困難
・ 脊椎すべり症、座骨神経痛の誤診の
主因